シカの味


シカを食べるぞ!

シカ
ロードキル
このシカめ・・・。

これが一頭轢かれていたということは
車が一台ダメになっている可能性が高い。

トラックでも無事では済まない。


シカ(解体済)
バラバラ
ぱっぱと解体完了。

季節がいきなり冬になっているけど
気にしない気にしない。

首から上を剥いてありませんが、
この時は剥製用?に欲しいという方がいたので譲渡。


轢かれたり撃たれたりと
持ち込まれる理由は様々ですが、
骨は標本、
肉は食用。


お料理の前に
標本化の様子をば・・・。

シカ(煮込み中)
煮込み
角がデカくて
普通の煮込み鍋に入らないので
寸胴鍋で煮ます。

夏なら大きなポリバケツに沈めて
腐らせるのですが、
真冬はダメだ。

全ての場所が冷凍庫。


火加減が微妙ですが、
木灰を得られるので悪くない。
良い肥料になるのですよ、木灰。

枝打ちやら台風の片づけやらで
燃やすものはいくらでもあるので助かる。

トラクターの荷台山盛り一杯燃やしても、
数sほどの灰にしかならないのですが・・・。




さぁ、シカ肉を料理しよう!

最近の田舎の流行は
シオコウジカ
塩麹シカ
なんと塩麹。

野生動物の肉と塩麹の相性が抜群です。
悪いところを消して
良いところを活かす関係。

具体的には、
臭みを消して柔らかくして、
それでいて野生の濃い味を楽しむことができる。

たいていの野生肉と相性がいい。
一晩くらい漬けると良い塩加減です。

焼シオコウジカ
レンズ曇った・・・
何の捻りもないただの焼肉。
男の野生料理!
これ掲げて
「ワイルドだろぅ〜?」って言えばいいんやんね?

脂も乗っていておいしいです。

どんな生き物でも、
脂がのっていた方がおいしく感じますな。




こんな野生の塊料理だけでは芸がない。
フランス人はジビエ料理とかいって、
かなり高貴料理と化しているでね。

侍も負けてはいられない。
『料理』に仕上げる。

材料は・・・
シカのもも肉ですな。
シカ腿肉
シカ腿肉
達人Aさんが射殺して
BUNが解体した。

問題になるのは、
野生動物特有の臭み。

シカだと、
血のにおいと
牛舎臭い感じのにおいを混ぜたようなにおい。


殺したら
一秒でも早く内臓を出して、
水にさらして血を抜くのが
臭さを消す第一ポイントです。


殺すのも、
できれば即死が良い、
死にかけでもがかれると、
筋肉に血が入った状態になり、臭くなる。

この辺は大型家畜でも同様です。

理想は、
生きたまま固定して頸動脈だけ切るのですが、
ニワトリならいざ知らず、
大型家畜でそれはキツイ。



個体差もさることながら、
と殺、解体次第で
品質にかなりの差ができてしまうのが
野生動物肉の弱点ですな。

家畜は
『斉一性』という言葉で
品質をそろえられるよう改良されています。




・・・というわけで、
調理の主眼はにおい消しに置かれることになります。
材料たち
料理中
牛乳とワイン、ショウガ、ネギでにおいを消して・・・
あれやこれやスパイスも投入。
コショウ、ナツメグ、オールスパイス・・・。



中略



完成!ビーフシカチュー!!
シカシチュー
シカシチュー
ビーフですらねぇし。


この日は高校の仲間との忘年会。

一般人はこの肉を食べられるのか!?



『一杯目で拒否反応されて、大量に残る』が
BUN予測。

いいよ、
自分ならおいしく食べられるレベルに仕上げてあるから。


ところがどっこい、
みんなお代わりまでして食べてくれるじゃないか!!

あれれあれれ?
みんななんでそんなにタフなのさ???

「臭くない」「おいしい」などのコメントまで。
女の子までこの反応。
どうやら本当に問題ないらしい。

気にすれば
少々獣臭さを感じないことはないのですが、
巧いことごまかせたようです。

この料理、
今また作るなら肉を塩麹に漬けて使いますな。
漬けるのは数時間くらいでいいかな。
一晩漬けるとシチューには塩辛い。



やりようによっては
普通の人でも十分おいしく食べられるお肉、シカ肉です。


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