いかだで琵琶湖横断に挑戦!!(後半)
(忍な視点ver/写真・N君(忍)
2003.8.1.

(危険!真似しないように!)


あらすじ

 手作り竹製いかだで琵琶湖に漕ぎ出した『忍』。あれよあれよという間に陸地からは見えなくなってしまった。
その後『忍』はいったいどうなってしまうのか!?

半死半生の目にあったいかだチャレンジの完結編!!とくと御覧あれ!!
(くどいようですが真似すると死にます。絶対に真似しないでください。)



湖上にて
 はあ〜、いい天気だな〜〜。昨日は白波が立っちゃうくらい荒れていたのがうそのようだ。
本当に良い天気で、湖面が鏡のようです。当日の天気図を見てみると・・・
2003年8月1日の天気図
うっわ・・・日本のまわり雨だらけじゃねえか!?本当にあんなにい天気だったのは奇跡としかいいようがない。
もし、時化(しけ)っていたら・・・考えることも恐ろしい・・・。



さて、陸地から見えなくなった後我々『忍』はといいますと・・・、


まだ生きています!
やっほ〜〜〜。
あの豆粒みたいだった多景島が結構大きくなってきました。
ああ・・・本当にいい天気でよかった・・・。

暑くなったり、おしっこがしたくなったときにはこうやって琵琶湖に入るのですが、
琵琶湖、淡水だけあって体が浮かびません。吸い込まれていくみたいです。おそろしい・・・。
この下は水深50mほどですが、透明度がせいぜい5mなので、水深が5mも50mも同じことです。
溺れる時は溺れる!!!


写真でメイン動力の自転車が消えていますが、あれはスタートから30分で脱落しました。
すいません、琵琶湖に・・・・です。
切り離した瞬間、
ぶくぶくぶくぶくっ!!と、一瞬で見えなくなりました。
あまりに勢いよく吸い込まれたので忍一同言がありません。なんとも背筋が寒くなる光景でした。
明日はわが身・・・?



おや?何か木片が流れてきました。
「はは〜こんなものが浮いているんだ〜。」
しかし、しばらくするともう一つ同じ木片が流れてきます。・・・嫌な予感が・・・。
腰掛に使っていたすのこが分解していました!!マジかよっ!!
やっぱり安物はダメです。このすのこ、後で割れました。


遠い多景島
 このいかだ、4人乗り想定だったのですが、乗組員は3人ではバランス悪いです。
まっすぐに漕いでいるはずなのに右に方向が変わるという困りモノ。
実質時速約1kmのスピードしか出ません。

10時になっても最初の目的地の多景島にすら着きません。5kmの道のりに何やっているのだ。
この時点で多景島までの往復が目的になったわけですが、いつになったら多景島につくのだろうか?
だんだん不安になってきます。
遠いんだよ多景島!!遅いんだよいかだ!!




多景島までは約5km・・・、
スタートから6時間・・・、
おいおい、もうお昼近いよ・・・?

多景島
ここまで接近しました。ふわ〜〜、きつかった〜〜。
何とか到着できそうです。

が、ここへ来て湖流の影響で
島の北へ流されそうになりました。
めちゃくちゃあせりましたって!ほっておいたらそのまま琵琶湖の真ん中へ漂流!?
永久に旅にでてしまいそうです。

このときばかりはさすがに余裕が無くなりました。
頭の中は『死』でいっぱいです。生まれて初めて死を意識しました。
死ぬってこういうことか・・・と悟りそうな勢いです。
死ぬってことは想像以上に重たくおそろしい物だと知りました。



そんなこんなで必死になりつつも、
午後12時15分・・・





多景島到着!!
いやっほ〜〜〜〜〜〜!!!!(プライバシー保護済・・・?)
さすがにヘロヘロになっています。おいおい・・・素の顔になっているぞ、BUN。茫然自失。
N君元気です。琵琶湖に飛び込んで泳いでやがる!!
それにしてもこの辺りで見える魚はブラックバスとブルーギルばかりですねえ。
バス釣りの人の視線が痛い。


ここでお昼ごはんの時間です。
栄養をつけるために羊羹をいただきま・・・
むぶう!?
のどを通らない!?羊羹は水分がなくてのどを通らないぞ!!おえっ!?
不必要に甘い・・・。しまった!ウイダーとかにしておくべきであった。
しかしお腹は膨れました。なんとなく元気も出ました!!


観光船でかえろうとも思いましたが、
なぜか観光船が来ない!!?
(お客がいないと観光船は出ないそうです。この日は平日な上、
 多景島は竹生島に比べてマイナーなのでお客が来ません。)




仕方ねえ!!もう一度お前の力を貸してもらうぞ!!!
多景島の船着場裏に停泊中のシューベルクライヴァー。
午後1時、多景島のお寺のおばちゃんに励まされ再び出航です。
目指す先は出発の地、犬上川河口。
もう一度、琵琶湖といかだに命を預けます。




慣れとお腹が膨れたおかげで、スピードは来たときよりも早かったのですが、一般船の脅威が増えました。
特に観光船は大型なのでこいつの波を横から受けるとヤバイです。
いかだの構造上、横波を受けるといかだの2本足が分離しかけます。

「外れちゃう外れちゃう!!」(必死でいかだを押さえる忍メンバー)

えっ?転覆?それは問題ないです。このいかだ、
リバーシブルだから。

しかし分解してはまずいので波に対しては対応が必要です。
波を緊急で避けるときには下の写真みたいに人が飛び込んでいかだを押して方向転換です。
波に対して船を垂直にしないと
遣られます。いやまじで。
緊急方向転換




陸地へ・・・
 陸の方で雷が鳴って明らかに夕立になっているのが見えたり、
湖上で雨が降ってきたり、(ちょっとだけどね)
N君が微妙に日射病だったり、
あと、花火大会の日なのでテスト花火が上がり、その音が湖上だとバカでかく聞こえて怖いです。
船上で花火鑑賞は避けたいところ。

帰りはピンチの連続です。行きはよいよい帰りは・・・ですね。


ああ〜すっきりだぜ〜。
小便小僧・・・こんなことやってるとバチが当たるぞ。バチが。


N君入魂の一枚!いい一枚だ!
某ハナちゃんにもらったピンクの浮き板、つぶれて役立たずになっています。
あと一息です。この辺から会話が無くなりました。もうヘロヘロに疲れています。

カヌー部が出迎えに来てくれました。でも引いてはくれません。けちーーーーー!!




夕方の日差しの中、だんだんと近づいてくる陸地・・・、
いつも過ごしている場所をこんなに渇望することはそんなにはありません。
つい12時間前に出発したあの河口がこんなに懐かしいなんて・・・、
こんなにかえってこれたことが嬉しいなんて・・・、
こんなに生きていることが幸せだなんて・・・、

琵琶湖にすごく色々なことを教えてもらえた怖いけれどいい旅でした。
でも、またやるかどうかは・・・微妙だね〜?どうだろう。



行き約6時間。
帰り約5時間。




夜6時、犬上川河口到着。




その後、いかだは分解され自然物は森に返り、(・・・?)
忍は日焼けと疲労でヘロヘロフラフラながらも、作っておいたびわ酒でパーティーをして
この旅は締めくくられたのでした。


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