このネコは我が家の猫、レーズン。
イギリスで開発された
長胴猫(long body cat)です。
見てのとおり、
胴体が非常に長いのが特徴の猫です。
5、6年飼っているのですが
興味深いことに、
胴の成長が止まりません。
椎骨の化骨が終了しないということか・・・?
どんな椎骨しているんだ・・・?
庭にて。
長すぎて狭い路地を曲がることができません。
一見、ダックスフンドのようですが、
あの犬種は『脚が短くなったイヌ』です。
しかしこの猫は、
『胴が長くなったネコ』なのです。
この意味ではブタ作出の品種改良と似ています。
イノシシを改良してブタが作られる際、
椎骨(背骨)の数が増加したのは
有名な話ですが、
これはネコでこの現象が見られる
稀有な品種です。
胸椎数は通常の猫と同じですが、
腰椎の数が増加しています。
乳頭数は通常のネコで8個程度ですが、
本品種の乳頭式は1+4+1=12と、
非常に多い乳頭数です。
これに伴い、
産子数はネコとしては異常に多い10個体程度。
多い!多すぎるぞ!
このままでは世界中のネコが胴長になってしまう。
しかしご安心を。
この品種同士を交配した場合、
生まれてくる固体のおよそ半数は死産です。
胴を長くする複数のQTLのうち、
どれかが致死遺伝子であることが
原因と考えられます。
恐らく胴長ネコは、
この致死遺伝子をヘテロ接合で持っているのでしょうな。
チャボの短脚遺伝子でも同様な現象があって、
短脚同士を掛け合わせると、
卵の半数は孵りません。
短脚遺伝子がヘテロ接合なら
もう一本の染色体側の遺伝子で
何とか発生できるのですが、
ホモ接合になるとダメです。
この手の遺伝子で死ぬ個体は、
だいたい発生の同じステージで死にます。
致命的なエラーが生じる段階は
決まっているのですな。
胴長ネコだとどうなんだろう?
また、腰が長い動物の共通問題として、
腰痛があげられます。
腰痛のため、雄が上手に交尾をできないので、
この胴長猫は繁殖成功率が低く、
先の致死遺伝子の影響もあり、
一般にはあまり出回っていないようです。
そういう貴重なネコなのですが、
エイプリルフールネタのため、
実在しないのがまこと悔やまれます。
*ネコに関する記述以外は本当
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