なぜ骨格標本を作るのか?


死体は回収済み
あ、ロードキル(轢死体)。

飲酒運転の厳罰化で
人間の交通事故は減ったけど、
獣の交通事故はどうなんかな?



それはそうとこの死体、
放っておくことにより、
死体は生ゴミになります。

終了。




アカンて。
そこで終わったらアカンて。

最低限、種名、雌雄がわかると
発見日時、場所の情報と合わせて
結構重要な情報になります。

その生き物がそのときその場所にいたという情報になるので
大切です。


でも、できれば証拠物件も欲しい・・・。
最低でも写真、
欲を言えば標本・・・標本!



理想は死体そのままを冷凍保存。
残せる情報が間違いなく最大です。

しかし、死体はかさばるし
冷凍庫の電気代も馬鹿にならない。

凍った死体をいちいち解凍して使うのもめんどくさい。



そんなときは骨格標本に。

外部形態を計測してから
解剖して骨格標本にします。

軽くて管理が比較的簡単、半永久的に残る


あとは・・・肝臓片でも採って冷凍しておけば
DNAも残ります。


そうやって
動物達の証拠を残していくのです。


で、集めてどうなるか?
ですが、
ぶっちゃけどうにもなりません。


標本収集の大原則は
無意味、無目的に集めること。

要るか要らないかなんて関係ない。
有るか無いか、それが問題です。

標本として残ってさえいれば、
後に誰かが利用して意味を持たせるかもしれない。

なければその時点でおしまい。



集める時点で収集者の意思が入ると
いきなりデータが偏ります。

なのでもう何も考えず、
黙々とロードキルを拾っては骨にするのです。
貯めれば貯めるほど、良いデータになるので
機械のごとく集めます。
蓄積中・・・


ある程度蓄積ができたら
自分で分析してもよし、
後世の科学者に期待して遺すも良し。


これを可能にするには、
受け皿となる施設が超重要。

海外に比べて日本の博物館は
この点で貧弱らしい。

数字は忘れたが、保有数が一桁か二桁違うらしい。



以上、骨を作る一般的な意義です。

以下、自分が骨大好きな理由です。




BUNは実際の生き物を
手にとってじっくり観察するのが好きです。

これはなんでかって言われても
育った環境がそうだったからとしか言いようがない。

ずっと身近に動物が居たので
遠かったり、血液、DNAなどしかなかったりすると
物足りなく感じてしまいます。

見てわかる生きる姿そのものに興味を引かれるのです。




骨を見ると、
生きていたときの姿を想像できます。

同じ鳥綱でも
種によって骨の形は違います。

この違いの意味を、
行動と照らし合わせてみて
想像するのがとても面白い。

想像なのでなかなか答が出ないですが、
出ないから良い。

妄想の学問。



妄想しがちな夢見る世界。
それが骨。

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